おっちゃん、ありがとう!【玉丘寮】
昨夜、玉丘寮で生活した人で知らない人はいない購買の石井さん(通称:おっちゃん)のお店がついに閉店となりました。親元を離れて寮生活する生徒たちのためにお菓子やジュース、アイス等(以前はラーメンやうどん、焼きそば、パン、生活用品も販売)を販売し続けて52年…。寮生にはなくてはならない憩いの場所として、石井さんはいつも明るく生徒たちを出迎えてくれました。時代の流れとともに女子生徒が増加、全寮生でなくなり、寮生も全寮制時代に比べ1/3ほどになっています。石井さんの年齢も80歳を超えて、体力的にも限界を迎えていたのです。
最後の日を迎え、寮生の多くが夕食後に購買に訪れ石井さんとの別れを惜しむ姿が見られました。「おっちゃん、私らの卒業式来てよー」と生徒が言えば「この子が卒業できるなんて思わんかったわー」と笑顔の石井さん。生徒の様子を細やかに観察しながら、いつも温かく見守ってくださっている様子が伝わってきました。会計をしながら、一人一人と軽快なトークに花を咲かせる様子は今も昔も全く変わりません。昨夜も、冗談をまじえながら生徒たちと談笑をしておられました。
播農OBである私たちにとって、とりわけ全寮制時代を知るものにとって購買と石井さんはとてつもなく大きな存在でした。今と比べ物にならない厳しい環境下で寮生活をしていたため、一日の中で娯楽は購買でお菓子を買い部屋に帰って一人でお菓子を食べる時間以外なかったのです。上級学年にならないとパンやラーメンが買えず憧れていたこと、買いすぎるとチケットを先生に取り上げられたこと、農場当番後のコーラが楽しみだったこと、おっちゃんとたわいもない話で盛り上がったこと、色んなことが今も鮮明に蘇ります。そんな購買が石井さんがもうあの場にいないと考えるととても寂しいです。
しかし、52年間の長きに渡り私たち播農生の青春時代を購買のおっちゃんの立場で支えていただいた事、今は感謝の気持ちしかありません。石井のおっちゃん、本当にお疲れ様でした!これからも少し離れた場所で播農を見守っていただきたいです。いつまでもお元気で!ありがとうございました!