畜産業の一端を見て…【酪農コース】

 今日も清々しい秋晴れとなりました。日中は半袖でもいいくらいの陽気ですが、中間考査の全日程を終えて生徒たちが晴れやかな表情で下校する様子を目の当たりにし、「開放感でいっぱいなんだろうなぁ…」とうらやましく思いました。考査は終了となりましたが、明日からの通常授業に向けてガクッと体調を崩すことのないようにしっかりと登校してもらいたいです。

 さて、昨日の午後から私はフラッと酪農牛舎にお邪魔しました。農場当番や乳牛クラブの生徒たちが、ちょうど乾草などの給餌を終えてひと休みしている生徒たちがいました。その時に「教頭先生、10月9日に生まれたばかりの子牛が2頭いるんですよ」と生徒から教わってその子牛を見に行くと、数人の生徒たちが片方の牛と何やら最後のお別れだとスキンシップを図っていたのです。よく聞くと、その牛はオスで生まれたため、もうすぐ農家さんが引取に来られるそうで、今後その農家で2,3年肥育され出荷されていく運命にあります。一方、メスとして生まれたもう一頭は、本校で大切に育成、分娩を繰り返し10年以上は本校で乳牛として生乳生産のため飼育されていく運命にあります。その現実はもちろん知ってはいたけれど2頭の子牛からマジマジと感じ、とても辛い気持ちになりました。その後、生徒たちの手によって抵抗する子牛をトラックに積み込む生徒たち…、「元気でね…」と頭をなでなでしながら、最後の別れを告げていました。トラックが出発すると、「よろしくお願いします!」と深々と頭を下げる生徒たち…、その姿はトラックが見えなくなるまで続いていました。いやぁ…、今日は何気なくフラッと酪農牛舎に行きましたが、畜産業の一端を見たような気がしました。生徒たちの家畜への愛情の深さも改めて感じ、色々と考えさせられる時間でした。お肉生産になっても生乳生産となっても最後は人間のために命を捧げる牛たち…私たちはそんな現実を受け入れながら、感謝の気持ちをもって美味しくいただく心を持たなければならないと感じました。生徒の皆さん、お疲れ様でした。皆さんから、命の大切さを改めて教わった一日となりました。